今となっては貴重なハカランダ、ホンジュラスマホガニー、アフリカ黒檀をふんだんに使用した、1969年製ヤマハ手工クラシックギターが入荷しました。
世界の楽器メーカー「YAMAHA」のクラシックギターへの取り組みは1966年に始まりました。
スペインのギター製作家エドゥアルド・フェレールを招聘、約150日間の技術指導が行われます。
まず工具・治具の製作からはじまり、木材の選定、木工・組立・接着、塗装まで、スペイン伝統の製作方法を徹底的に吸収。
レヒーノ・サインス・デ・ラ・マーサ氏やアリリオ・ディアス氏といった世界的に著名なギタリストのアドバイスや評価を得て、1967年には初の手工ギターが完成しました。
完成した手工ギターは、ヤマハの営業戦略の点から、GC-10/GC-7/GC-5の3品番に分けられましたが、3品番とも元々同じモデルとして作られ、敢えて品番を分けるため当時の国内プロ奏者が選定しヘッドの飾りに違いを出したようです。
表板にエゾ松単板、裏板・横板にハカランダ(ブラジリアンローズウッド)単板、ネックにホンジュラスマホガニー、指板はアフリカ黒檀、現在から見るととても贅沢な木材が使用されております。
表面板の塗装はセラックです。
グラナダを代表する製作家フェレールの技術が全面的に反映されていた初期GCシリーズは、スペイン的な明るい音が特徴で、来日中のスペイン人ギタリスト、ホセ・ルイス・ゴンザレス氏から高く評価を受けただけでなく、フォルクローレの巨匠アタウアルパ・ユパンキ氏やボサノバの名手ローリンド・アルメイダ氏といったクラシック以外のギター奏者からも高い評価を受けました。
本器は1969年に製作されたお品で、1967年の最初期からはペグの種類やブリッジの形状が変更されております。
1970年1月にファーストオーナー様がご購入されて以来、その音に魅了され、長く大事にご使用されていたと伺っております。
グランドコンサート(GC)シリーズの礎を築いたこの初期手工モデル、是非手に取ってお確かめください。
お問い合わせは
support@rotomusic.jpまたはTEL:0748-26-4381までお気軽にどうぞ。
ブランド:YAMAHA
状態:B+:通常使用する用途において問題なし
トップ板:エゾ松単板
サイド板:ハカランダ単板
バック板:ハカランダ単板
弦長:662mm
ナット幅:52mm
製造年:1969年
付属品:純正ハードケース(金具錆・ビニール剥がれ箇所あり)、予備ブリッジサドル
よく見れば表面板下部に微細な凹み表面板は米粒小の当てキズ、引っかきキズ、細かい凹みが若干ございますが、大きな打痕や塗装剥がれ等無く、また激しい演奏痕も見られず、50年以上経過したお品には見えない美観を保っております。
裏板も少々擦りキズは見受けられるものの、こちらも大きなダメージは無く、年数を考慮するときれいな状態です。
ネック裏は2フレット1弦側際の11-2フレット間に浅い凹みが2か所連なってございます。
経年によって、ボディ下部のエンドブロック化粧板とパーフリング・バインディングの塗装面に段差がでております。
ネックとヒールの接合部にも僅かに段差がでております。こちらは塗装面のヒビはございません。
ネックは軽度の順反りです。
ヒール部分やブリッジの浮きはございません。
12フレット上の弦高は6弦約3.9mm/1弦約3.4mmです。
フレットの減りはございません。
ペグボタンに一部ヒビが入っております。
3弦ペグボタンのヒビは触感がございます。
今のところ調弦に支障はございません。
詳細写真はこちらでご確認願います。
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